北海道・樺太・千島史の地図年表

北海道・樺太・千島史の地図年表

王を立てず、川筋ごとのコタンで暮らしたアイヌの大地。そこに和人地と蝦夷地の線が引かれ、日本とロシアの条約で線が動き、戦争でまた引き直されました。北の歴史は「境を引かれる」歴史です。時代を選ぶと、その頃の地図と「力の出どころ」が見えてきます。
個人の学習ノートです。年や数字、地図の範囲はおおよその目安としてご覧ください。

北海道・樺太・千島の時代ごとの模式図

    色の範囲は流れをつかむためのおおまかな線です。正確な国境や支配範囲ではありません。

    キーワード
    力の出どころ

    時代の流れ

      ポイント

          知ってるとツウな小ネタ

            この時代を舞台にした作品

              境と、治めた者の一覧

              人物図鑑

              奪う・借りる・認めてもらう・二つに仕える・境を引かれる

              歴史学習帳シリーズの大きなテーマは「権力の移り変わり」。国ごとに、権力の正統性の得かたが違いました。王をもたなかった北の大地では、力は外から「境」として引かれてきました。

              奪う

              中国

              天命を失った王朝に代わって、新しい家が皇帝の位を手に入れる。

              借りる

              日本

              天皇の位には手を出さず、天皇から官職を借りて実権を握る。

              認めてもらう

              朝鮮半島

              外では中国の皇帝に王として冊封してもらい、国の中は自分で治める。

              二つに仕える

              琉球・沖縄

              中国の皇帝に冊封されながら、薩摩と徳川幕府にも従う。

              境を引かれる

              北海道・樺太・千島

              アイヌの人びとは王を立てなかった。その大地に、松前藩が和人地を、幕府とロシアが条約の線を、戦争が占領の線を引いた。

              • 1550年 和人地と蝦夷地
              • 1855年 択捉とウルップの間、1875年 樺太と千島の交換
              • 1905年 北緯50度、1945年 ソ連の占領

              北の歴史全体の小ネタ

              特定の時代ではなく、北の歴史を通して出てくる仕組み。

              アイヌ語の地名

              北海道の地名の多くはアイヌ語から来ている。川や地形の様子を表す言葉が多い。

              • 札幌:乾いた大きな川(サッ・ポロ・ペッ)
              • 稚内:冷たい水の沢(ヤム・ワッカ・ナイ)
              • 「ナイ」「ペッ」はどちらも川や沢のこと

              樺太や千島の地名にもアイヌ語が多い。「カラフト」もアイヌ語から来たという説がある。

              コタンと首長

              アイヌの社会は、川筋ごとのコタン(村)がいくつも並ぶ形。首長は話し合いをまとめる役で、王のように人びとを支配するものではなかった。

              争いごとは、話し合いのチャランケで解決した。弁が立つことが、首長の大切な力だった。

              イオマンテ(クマ送り)

              子グマを大切に育て、儀式で神の国へ送り返す。クマは、肉と毛皮をおみやげに人間の世界へ来たカムイ(神)だと考えられた。

              動物や道具にもカムイが宿るとする考え方は、アイヌ文化の中心にある。

              蝦夷錦と山丹交易

              清の役人の服に使われた絹が、アムール川の下流から樺太を通って松前へ渡った。和人はこれを「蝦夷錦」と呼んで大切にした。

              松前藩主は、蝦夷錦を将軍への贈り物にも使った。北の交易は、境をこえてつながっていた。

              北方四島の広さ

              択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島をあわせて約5000平方キロメートル。択捉島だけで沖縄島の2倍以上ある。

              択捉島は、本州・北海道・九州・四国に次ぐ大きさ。国後島も沖縄島より大きい。

              樺太の人びと

              樺太には、アイヌのほか、ニヴフ(ギリヤーク)やウイルタ(オロッコ)の人びとが暮らしていた。

              戦後、日本に引き揚げたウイルタの人びとの中には、網走で暮らし、文化を伝えた人もいた。

              歴史学習帳シリーズ ― 北海道以北編。地図の海岸線は Natural Earth のデータをもとにしています。色の範囲は手描きの模式図です。